2011年12月7日水曜日

津波から甦った 奇跡の”江差恋しや”

11月9日の「石巻市雄勝のこと」で紹介したYAさん(くれぐれもヤーさんと読んではいけない) は無類の歌好きだ。それも、自分で吹き込んだ歌をCDに焼いて、人に配り歩くという傍迷惑な癖を持っている。捨てるに捨てられず困ったと思って義理で聴いてみると、皆驚き、感動し、自分だけが貰えたことに感謝するようになる。素人を通り越したプロ並みの歌なのだ。
そんな彼が、3月の大震災で家が津波の被害にあい、(たぶん家族の次に)大切にしていた、カラオケセットやCD作成機も流されてしまった。
パソコンお宅の仙人が「人にやったCDを借りてきたら、うちでダビングしてCDが復元できる」と申し出たら、ある日十数枚のCDとCD-Rが送られてきた。ダビングしている時、CDの表面に無数の細かい傷がついていることに、ふと気づいた。YAさんに聞いてみると、それらは津浪で埋もれた泥の中から探して掘り出したものだと言う。「泥を水で落としたが、その時付いた傷ではないか」と言うことだった。
今、私のPCのiTunesには、歌手YAの奇跡の甦り曲が178曲、10.8時間分入っている。その中からYA-BESTというプレイリストを作って、料理を作る時のBGMにしている。YAさんの歌を聞きながら作ると、何故かわからないが”美味しくできる”のだ!(^^)! 今日も、リンゴをジャムりながら聴いていた。
仙人が特に好きなのが「江差恋しや」だ。蕩々(とうとう)として哀愁を帯びた歌声を聴くと、疲れた心は癒され、心が辛い時(と言っても、最近私は辛いことが全く無いのだけれど)涙が自然と流れ、ピュアな気持ちになれる。是非、上のビデオでその歌声を聴いて欲しい。(ノートブックの場合イヤホンを用意し良い音で)

辛いと言う言葉で、星野富弘の「幸せ」という詩を思い出した。

「幸せ」
           星野冨広
       幸せ という
       花があるとすれば
       その蕾のようなものだろうか

       辛いという字がある
       もう少しで
       幸せに
       なれそうな字である