2011年12月13日火曜日

進歩するロクジュウカラ~ピアノを習って良かったこと~

ON氏 切り絵
コンサート
以前ピアノの先生に「ピアノを習って良かったこと」をマインドマップ(思い付きをそのまま図にしたもの)にしてお渡ししたことがある。そんな事をまとめた人が今までに無いらしく、喜んで頂けた。
総合すると、ピアノのお陰で、人も羨むような楽しい日々を送っていると言うことになるが、その要因を少し列挙してみる。
小奇麗になった
もともと仙人は、風呂にも入らず、髪もぼうぼう(無いけど)、髭も伸び放題で不潔である。それが、先生に会うためには、きちんと身なりも整え、爪も切り、前の日は散髪・沐浴し、いそいそと出かけるのである。
姿勢が良くなった
よくプロの演奏で、背中を丸め鍵盤に顔を擦るようにして弾く人がいるが、あれは達人だからできる技だ。素人は、背筋をぴんと伸ばさないとピアノは弾けないので、必然的に姿勢が良くなる。姿勢が良くなると、また心も体も健康になる。
両手がばらばらに動かせるようになる
昔、中村紘子がCMでやっていた、あれだ。右手と左手と違うことを同時にできるようになる。食器の片付けなどすぐ終わってしまう。
辛抱強くなった
当初独学でやってた時は、弾けないところはすぐに飽きて、すぐ弾けるところに戻って自己満足していた。弾けるところだけ、どんどん上手くなるが、何時まで経っても曲全体は弾けないのだ。初心者が陥り易い罠らしい。練習とは、弾けないところを繰り返し繰り返し・・・辛抱辛抱、そのうちこれが快楽に変わる。だが、近所の人はたまったものではない。いつも下手なところだけ聴かされるからだ。
いい年こいて、褒められるとうれしい(^^ゞ
最初の半年ぐらいはK先生もお茶を濁していて、お愛想で褒めてくれた。「半年にしてはお上手・・・」
しかし60何年も生きてくると、ほんとに褒められたか、お愛想かはすぐわかる。真剣にピアノの練習をしていくうち、「・・・・のところをよく練習してきて、良い・・」と自分が一番力をいれて練習したプロセスを褒めて貰うようになった。自分の努力したことを褒めてもらうのは、幾つになってもうれしいものだ。
1分が長~くなる
ぼ~っとしていると、1分なんてあっという間に過ぎてしまう。しかしバッハのインベンションは殆どが1分ぐらいの曲だが、弾いていると結構長い時間に思う。ショパンのノクターンなど5分以上かかる曲は、とてつもなく長く感じる。 また台所仕事の話しになるが、いつも面倒と思う食器洗いや後片付けなど時間を計ってみると、殆ど1~2分で片付く。お湯を沸かす、ついでにできてしまうのだ。そして私の肩のあたりから「テキパキ」と音が聞こえてくる。
まだまだ進歩する自分を発見できる
仕事を辞めて、体力も気力も何もかも下り坂。人生のフェードアウトの時を迎えた、と思っていた。それなら最後に子供の頃の夢だった「ピアノ」をやってみるかと始めたところ、そこには、まだまだ伸び盛りの少年がいた。こんな発見と喜びは、何もかもが成長する過程にいる小・中学生には絶対に味わえない、ロクジュウカラ・ピアノの特権だ。