2011年12月10日土曜日

赤いスポーツカー

以前述べたが、私は医者に「よく、こんな筋力で歩いてますね」と言われたことがある。普段2本足で歩く時は、仙人が雲に乗るように、ふわふわと天から糸でつられたマリオネットのようだ。
脳は不思議だ、昨日のようにゴミ箱に入っていた記憶が突然鮮明に現れたり、私の足が具合悪くなってから、かれこれ15年以上経つのに、いまだに元気な頃のように、つま先がちゃんと上がって歩いているように勘違いしている。一方で、最初に書いたように省エネ歩行にも順応してくれている。
そんなわけで、脳が勘違いしている時、よく躓いて転ぶし、突然外力が掛かると踏ん張るエネルギーが無いので、そのまま転んでしまう。
しかし外から見ている人には、普通に歩いているように見えるらしい。

昨年のある日曜日のことだ、いつものように近くのスーパーに買い物に出かけた。親子連れなどで賑わっていたが、元気な5歳ぐらいの男の子がうれしそうに夢中で走り回っていて、私に軽く接触した。(私としては当然のことながら)スッテンコロリン、床に叩きつけられた。コンクリートの床は痛い。
近くにいた若い母親が「だから、静かにしていなさいと言ったでしょっ!!!」と坊やの頭を一つ、どついて(殴るという関西弁)そのまま、謝りもせず、私を助け起こすでもなく行ってしまった。
オイオイ、おれはどうなるんでぇ?? 実は私は仙人なのに、平らなところでは自力で立ち上がれないのだ。しょうがないので、近くの野菜の棚まで這って行って、それにつかまってやっと四足歩行から二足歩行に移行した。
私は子供は元気なのがいい、ましてや男の子は腕白が良いと思う。子供が母親に殴られないように、それから土日・祝祭日は買い物自粛。普段も車椅子で買い物に行くことにした。
ところが、今までの車椅子がやけに重く感じる。車の積み下ろしが大変、いつの間にか腕の筋力も落ちてきたのだ。そこで写真の赤いスポーツカー11kgに乗り換えた。メーカーカタログによると、これは女性用に開発されたおしゃれな車椅子らしいが、爺さん、そんなこたぁ言ってられない。