2011年12月28日水曜日

伊那谷は氷の国(2) ツララもきれい

天気が良いとツララができる
最大1.5mぐらいになる
私は静岡生まれ。学生時代に金沢の友達のところにお邪魔した時、遠回りして大町でスキーを初体験した。それまで、目の前で雪を見たことがなかった。静岡で雪と言えば、富士山から風に乗って流れてきて青空に舞う”風花(かざはな)”で、それだけで子供達は大喜びをしていた。 就職して滋賀県で暮らすようになり、最初のうち綺麗だ綺麗だと大喜びしていたが、実際には車はすべるし、歩いていてもすべるし、生活するには大変なことだと知った。それに、道端によけた雪と言うものは純白のイメージと、かけ離れたダーティーな存在だ。
  滋賀県の家は、雪止めというのが瓦についていて、しかも雨樋があったので、軒にはツララが出来ない。 飯田雨仰庵は、冬枯れの木の葉が積もるし、雪が滑り落ちるように、雨樋もなければ雪止めもない。一年目は、玄関前に雪が屋根から滑り落ちて1.5mぐらいになり、閉じ込められたことがある。
  雨樋がない代わりに、雪降りの後、このような大きなツララが出来る。私は生まれて始めて、ここでツララを見た。ただ、数日すると屋根の雪が雪崩となって滑り落ち、この見事なツララとともに地響きを発てて落ちてくる。軒下にいたら、ひとたまりもない。
  だから、雪が降ったら、純白と木の枝が作り出すなんともいえない模様と、光を受けて輝くツララの自然美を、家の中で、ぬくぬくと楽しむことにしている。贅沢この上ない。