2011年12月5日月曜日

名物ブランド「市田柿」

市田柿の柿すだれ(信毎新聞掲載)
今年も干し柿の名ブランド「市田柿」のシーズンがやってきた。透き通るオレンジ色と上品な甘さが絶品だ。子供の頃、毎年、年末になると親父のところにお歳暮で届いた。今の私にはお歳暮なんて届いたことが無いので、今更ながら親父は偉かったんだと思う。雨仰庵に引っ越して1年間、自分が子供の頃大好きだった市田柿産地の真っ只中に住んでいるとは気がつかなかった。市田は飯田市の隣町「高森町」にある大字の地名だ。
土地ではこの市田柿のことを”ころ柿”と呼ぶ。製造工程の中で、表面に糖分の粉をふかせるためバレルをかけるからだ(樽の中に入れて転がすようなもの)。出来上がるまでに1ヶ月以上の手が掛かる。特にお歳暮時期の今頃は、一箱ん千円もする高級ブランドだ。家内も私もこの贈答用なる、大きくて綺麗な市田柿を食べたことが無い。そこで昨日、知り合いの柿農家に行って、いいやつを買おうとしたら、「こっちに安いのが在りますよぅ」と言って、結局ハネダシ(出荷停止もの)お徳用ビニール袋入りを買う破目になってしまった。
「ご無理の無いところで」のピアノのK先生と雪男BY氏も無類の市田柿ファンだ。年も明けると急に安くなるので、ピアノレッスンの折、お徳用ビニール袋入りを持参することがある。家族に取られない様、両手に一つずつ、もう一つ口に咥えて、こっそりと押入れに隠れて食べるらしい。

ブランドと言うと、食べ物、衣料品、雑貨などを思い出すが、地名そのものにもブランドがある。東京、大阪、京都など・・・特に関東では「京都」は憧れブランドだ。かく言う静岡生まれの私も(関西から見て中途半端な関東人である)、京都に憧れ、そこに本社があるO社に就職した。結局滋賀県の事業所に配属になったが。

私が滋賀県から静岡の実家に帰ると母親が
見栄をはって「息子が京都から帰ってきた」と近所に触れまわっていた(^^ゞ