2012年2月27日月曜日

鶴岡の古伊万里

古伊万里の蕎麦猪口と小皿
普段使いに求めた
古伊万里の蕎麦猪口と小皿

  先日の石巻雄勝訪問の帰り道、真下慶治記念美術館の他に、もうひとつ寄りたいところがあった。鶴岡の骨董屋だ。昨年の8月30日にBS103で「温故希林~樹木希林の骨董珍道中~」という番組があった。その放送の中で「鶴岡は古伊万里の宝庫、穴場」ということを知った。江戸時代から明治にかけて、北前船で大量の伊万里焼が九州から運ばれて消費されていたとか。それが今鶴岡の骨董市場に出回っているわけだ。実は私、焼物好き、特に染付がいい。そこで、ぜひ寄ってみたいと思ったのだ。こうなると、YAさんに怒られそうだが、石巻行きが本命だったのか、だんだん怪しくなってきた。

  番組に出てきた上品な女主人のいるIK古美術店に寄ることにした。私の義姉の実家も鶴岡、優しい庄内訛りがなつかしい。旅行以外でも、3度冬に訪れたことがあるが、今年の冬は格別雪が多い。市街地でも1mの雪があり、私を介助してくれるはずの家内が、先に滑って難儀をした。私は、この骨董屋さんで伊万里の器をひっくり返して値札を見ているうちに、ある潜在意識の再発見をした。ふといいなと思った順に値段が高いのだ。(顔をみて値段を決める骨董屋が多いなか、正札付のこの店は良心的な骨董屋さんだ。)

  私の父親の趣味(当時母親は道楽と言っていた)は骨董収集。普段使っている器も、薄汚れたような骨董品だった。きれい好きな奥さんだったら、クレンザーでゴシゴシ洗って、台無しにするところだ。私は幼稚園の頃から、毎週日曜日になると、父親が運転するオートバイの後ろに乗って、骨董屋のはしごをしていた。55歳定年後、集めたものを元手に静岡駅裏で骨董屋を開業し、今は、長兄が後を継いでいる。今まで私は、欲しい器は父親の店か、亡くなってからは長兄から求めていたので、自分だけで骨董を選んだのは、生まれて初めてだった。相場がわからないので、長兄に言ったら「バカヤロー (静岡では”おやおや”ぐらいの意味)そんな高いもん買って!」と、ばかにされるのが落ちだが、なんとなく良し悪しがわかるというのは一番の喜びだった。これも、幼児期から家を出るまで、ずっと骨董品に囲まれて育ったおかげか。