2012年10月28日日曜日

THE裏打ちに挑戦

  音楽用語で裏拍のことを裏打ちともいうが、今回挑戦の裏打ちは、絵の裏打ちである。  通常、絹や和紙に描かれた日本画を、補強するためにする表装作業の一部だ。この職人さんを表具師という。

  手描室で使っている画用紙は「ワトソン紙」という綿を紙にすいたものだが、絵の具をぬったところだけ紙がのびるので、乾いたあとボコボコ波打って、額装しても隙間ができたり影がでてしまう。6号以上の紙は平にするため、日本画のように「裏打ち」を表具屋さんに頼んでいる。
  女性以外にはなんでも手を出したがる仙人は、ネットの情報を参考にさっそく挑戦してみた。残念ながら、かるい波打ちが残ったが額装すれば大丈夫と思う。*下記注

(1)絵の裏を水で濡らす 絵の裏を濡らす平らなところに不織布をしき、絵を裏返して霧吹きで水をふき、刷毛で均一にする。(紙全体をぬらしてのばし波打ちをとる)
(2)裏打紙にのりづけ 白扇紙にのりづけ白扇紙特厚のツルツルした面に、水でのばしたでんぷん糊を均一に塗る。
(3)裏打紙を貼る 裏打紙を貼る(1)の画用紙の波打ちがおさまったら、(2)の糊付けした裏打紙を空気が入らないように貼る。
裏打紙の4隅にノリをつける。(2ののりづけした裏側)
(4)乾燥板に貼り付け 乾燥板に貼り付け不織布ごと持って裏返し、4隅のノリを塗った部分をよくおさえ 乾燥板に ぴんと貼り付け
(5)剥がす 剥がす乾いたら、4隅の糊づけ部分を剥がす
(6)みみきり みみきりはみ出している裏打紙をカッターで切り取って完成\(^o^)/

  (3)の裏打紙を貼る作業は、表具師の職人さんは、右手に丸い棒をもってクルクル回しながら、一人で作業するらしいが、とうてい素人ができる技ではなく、家内に手伝ってもらった。
  S先生に教えていただいた紙屋さんは、創業明治5年 飯田には和紙専門店が130年以上も生き残るだけの需要があるということで、その文化的背景を思うに、あらためてここに移り住んでよかったと思った。

注:S先生に、「6号より小さい絵は、裏側に水を塗って、紙と板にはさんでおもしをしておけば平らになる。」と教えていただいたことを思い出した。この裏打ちした少し波打っている6号の絵をそのようにしてみたら、きれいに平らになった。