2011年12月16日金曜日

愉快な森の仲間達 in 綾部編

親子で記念撮影
むか~し、むかし20年以上昔。バブルの真っ最中に滋賀県から、京都府北部の小都市、綾部に転勤になった。自然に恵まれ山紫水明、20分走れば日本海、海の幸も豊富。現代文明の恩恵を享受したければ、日本でトップクラスの大都会、京・大阪に1~2時間で電車で行ける。私には仕事のことさえ忘れれば、この上ない町だった。気に入ったとなると話は速い、ここに根を生やそうと、半年後に家を新築した。若い頃からの夢「森の中に住みたい」を実現し、高台の神社と山の森に囲まれた家だった。
最初の1年間、何も気がつかなかったが、ある夜、耳を澄ますと「エハッ、エハッ、エハッ・・・」と言いながら、何者かが家の周りをぐるぐる回っている。狸の親子連れだった。この写真の中に光る点々が10ヶあるのがおわかりだろうか?3匹の小狸を連れた、たぬポン家族の記念写真だ。毎晩、決まった時刻に「こ・ん・ば・ん・は、ポンポコポン」と現れた。
とぼけた顔のアナグマ
これは明るいうちからずうずうしく現れたアナグマ。愛嬌のある顔をしているが、クマと名が付くように、大きな鋭い爪がある。毎夜現れては、我が家の猫の餌を失敬して帰る。猫が怒っても、とてもかなう相手ではないので、家の中で餌をやることにした。夏の夜、家の中のその餌を見つけたアナグマが「ご飯頂戴~~」と言って、網戸をバリバリにして入ってきた。2回も破られ、網戸の修理代6,000円也

また初冬の小春日和の日曜日、あんまり暖かいので玄関を開け放して二人とも外にいた。昼時玄関を入ると、誰かに見られている視線を感じた。ふと上り框(あがりがまち)から客間を見ると、お狐さまと目が合った。向こうもびっくりした顔をしていた。部屋の隅に重ねてあった座布団の上で、のんびりと昼寝をしていたらしい。しばらくして「ハイ、お邪魔しました~」と言う風に、ゆっくりと腰を上げて私達の足下を悠々と出て行った。 その他、色々な野鳥も窓の外1m位のところまでやってきて、楽しい動物園のような暮らしだった。

綾部市(←クリック地図)は、冬は日本海側特有の気候で雪も多いが、寒いのに湿度が非常に高い。神経病みの私には、それが堪えた。残念ながら8年後、この家を処分して滋賀県に帰ることになった。家内もお気に入りだったらしく、(私には内緒で)いまだに時々この地を訪れているらしい。