お蔵入りになった糠味噌漬け器

　　「糟糠の妻」という言葉がある。　貧しい暮らしを一緒に支えた奥さんのことだが、一生貧しい暮らしをしている人には使わない。
　　だから、わが家の奥様は「糟糠の妻」になりそこねた。

　　わたしは糠味噌漬けが好き、特に今がシーズンのコカブとナスが好きだ。
　　一人暮らしでも食べたい、「男は道具だ」ということで、糠味噌漬け器なるものを通販生活で買った。こね回すハンドルがついていて、糠味噌を触らないですむというのが売りだった。
　　１年使ってみて、重い、口が狭く漬物が取り出しにくい、大きいわりにはたくさん漬からない、売りの「糠味噌を触らないですむ」なんて夢・・・なにかと思うようにならない。

　　見ていた、家事コンサルタントの家内が「薄くて広い口の入れ物のほうが、漬けやすい」とのたまう。
　　ZIPロック・ファンの私は、すぐに、南蛮漬け用に買った巾広コンテナを思い出した。なるほど開口部が広く、出し入れがしやすいし、たくさん漬けることができる。

　　なにしろ安い。糠味噌貧乏生活にはもってこいだ。