20年近く前、京都府北部の綾部市に住んでいた頃のこと。花が好きな家内は、山野草を探して、里山をウロウロしてしていた。ギフチョウも翔んでいて、カンアオイも群生しているところがあった。その近くの山ぎわの土手に、イカリソウやホタルブクロがびっしりと生えていた。
ある日、彼女の目の前で、その近所のおじさんが、草刈機でイカリソウを全部チャイ~~ンと刈ってしまった。地元の人には、イカリソウは単なる雑草に過ぎなかったのだ。家内が花の話をして、刈らないように頼んだら、翌年から残してくれるようになった。毎年刈られても、きれいに花を咲かしていたので、結構強い花だなと思う。
2年前に、同じ場所を家内が訪れたら、土砂崩れかなんかで残念ながら、カンアオイもイカリソウも全滅していたそうだ。
雨仰庵には、オーソドックスな紫と、白の二種類のイカリソウが生えている。先日、ギフチョウが蜜を吸いにやってきた。そろそろ花も終わりそうなので、申し訳ないが、切って「手描室」自主トレのモデルになってもらった。
よく見ると複雑な形をしている。イカリのようなツノが真ん中の花びらと一体になっていて、4方向にのびている。ガクも同じ色をしていて、花びらのようだ。
日陰で咲いていたが、見事な自然の造形美。見ればみるほど愛らしい花だ。