最近、私のちょっとした嬉しい事があり、家内がお祝いしてやるという。うなぎが食べたいと言ったら、おごってやるとのことだった。
日本人がうなぎを食べ過ぎたせいで、うなぎの稚魚が激減し、蒲焼きがものすごく高くなった。たまに行っていた飯田の有名店、一年半前に土用のうなぎを食べに行ったら、鰻重 上に、うなぎ一匹入っていない(前は入っていたのに) おまけに値上げして、5000円近くとられた。でも、うなぎを食べたい。
先月の手書き室でこの話をすると、先輩のMZさんが、市田駅の近くに「うなはる」という有名な店があって美味しいと、教えてくださった。市田駅とは、あの高級ブランド「市田柿」の市田だ。飯田市のとなり高森町にあり、わたしの生活感覚では飯田市も高森町も区別がない。
手描室の2週間後、ストーブのペレット燃料を買い出しに高森へ出かけたので、ついでに「うなはる」で昼食をと思い、寄った。だが予約がいっぱいでうなぎがないと断られ、事前に電話をもらえるとありがたいと言われた。
昨日、また高森までペレット燃料を買いに行く予定だったので、朝「うなはる」に電話したら、こんどは大雪でうなぎが届かず、土・日・月と休んでいるという。昼過ぎに届いても、うなぎが生きているかどうかわからないとのこと。そうか、鰻屋のうなぎは生きていないとダメなのかと初めて知った。
どうも「うなはる」は方角が悪いのかと思っていたら、「うなぎが入ったので店を開いている」と今朝、わざわざ電話があった。せっかく電話をもらったので、今日はうなぎを食べる”ダケ”のためにでかけた。どうも、ついでにうなぎを食べようなんぞという根性が間違っていたのだ。うなぎ様に失礼なことをした。
こんちわ~と玄関を入ると、初めて会ったとは思えない気さくなおかみさんが出迎えてくれた。江戸前の蒲焼きで、背開き、焼きの前に蒸しをして、柔らかい身が口の中に入れると、とろけるように美味い。飯田周辺は、店によって江戸前と関西風と両方あるが、江戸前が私の好み。
ここのは美味いし、比較すると安いし、私の常識「鰻重 上はうなぎ一匹入っている」のだった。
いざお会計の段になると、おごってやると言っていたのに、 結局、私が払うことになった。家内は今日滋賀へ帰り、忙しいので3月なかば過ぎまでしばらく飯田に来れない。 私のお祝い事ではなく、家内の送別会に切り替わったということらしい。懐は寂しく体脂肪は豊かになり、予算と脂肪の関係で、また嫁に餌をやる必要もないので今夜は断食と決定した。
うなはる
長野県下伊那郡高森町吉田476−7
0265-35-5678