24節季・雑節のなかに「半夏生(はんげしょう)」という日がある。半夏(=漢名、和名:カラスビシャク)という薬草が生える頃、暦上は夏至から11日目ということだが、陰暦のことなので今の暦では年によって1日ずれるらしい。今年(2013年)は7月2日が半夏生だ。
同じころ、半化粧(カタシロクサ)の葉が白くなるので、それで半夏生というとする説もあるようだが、もともと大陸から伝わった暦だし、半化粧という名が和名そのものなので、「半夏が生える頃」というのが,、もともとではないかと思う。
半夏生まで、まだ一月半もあるのに、雨仰庵の庭にカラスビシャクがニョキッと出てきた。昨年は写真を撮ろうと思ったら、うちの奥さんは、滋賀の畦(あぜ)にたくさん生えている「雑草」として全部引っこ抜いてしまった。 テンナンショウ属のウラシマソウを小さくしたようだが、ハンゲ属という違う属の植物だ。
この半夏生のころ、大雨が降ったり毒気が降る季節(多分食中毒など)。 この「半夏」は「吐き気止め、痰切り」の生薬として、日本薬局方にも登録されているれっきとした薬草だ。 むかし農家の奥さんが畦でこれを採り、薬草として家人に内緒で小遣い稼ぎをしたことから、和名の別名「へそくり」というそうだ(^^ゞ