散髪の帰り、どうかなと思って近くの増泉寺に寄ってみた。昨年も紹介したが、ここに、近在の一本桜で一番のお気に入り「天蓋桜」がおわす。
八部咲き、ちょうどみごろであった。小さなお寺にピンクの蓋をしたように枝垂れる姿はまさに「天の蓋」にふさわしい。
この冬は、引っ越して7年一番厳しい寒さだったが、その反動か桜が咲くのも一番早い。この桜も、いつもより10日もはやく咲いてしまった。
毎年、力強く咲いて迎えてくれるこの桜を見ると、三岸節子(みぎしせつこ)最晩年の「さいた さいた さくらがさいた」という絵を思い出す。その絵は一宮市(旧尾西市)「三岸節子記念美術館」にある。 絵筆もおもうように握れなくなった手で、布に絵の具をつけて描いたという大作。その前に立つと、そのエネルギーに圧倒される。
三岸節子のプロフィールにある写真をみると、誰かにそっくり?と思う。 女優・吉行和子にそっくりなのだ。
否、生まれた順番からいったら、三岸節子に吉行和子が似ているのだ。いずれにしても、綺麗なひとだった。