手描室ではだいたいF6(407x320m)のワトソン紙に描いている。紙は絵の具を塗ったところだけ伸びるので、描いたあとボコボコに波うち額に入れても影が出てしまう。
そのため大きな絵を描く場合、あらかじめ水張り(着物の洗い張りのようなもの)をしておいて描く方法が一般的のようだ。私が実験したかぎりでは、F6のワトソン紙の横方向で、水に20分つけておくと1〜2cmものびる。それを乾燥しても5mmから10mmぐらいのびたままになる。
手書き室の絵は風景画と違って絵の具を塗る面積が少ないので、水張りをせずに描いて、額装するときに「裏打ち」という補強をしてシワをとっている。以前「白扇紙」という裏打ち用の和紙を買ってきて、この「裏打ち」 に挑戦したことがある。その時、ワトソン紙では「裏打ち」なしでシワが取れるのではないかと考え、「水彩画紙のシワ取り器」を試作してみた。
(1)のり付き不織布とシナベニヤ | |
(2)アイロンで不織布をシナベニヤに貼る | |
(3)はみ出した不織布をカットする | |
(4)ここから試運転 絵の裏に水をはけで塗り、紙が十分のびるのを待つ |
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(5)シワ取り器にはさんでダブルクリックでしめる |
「裏打ち」の前に実は絵の裏に水をぬって先にシワを伸ばす作業がある。「裏打ち」そのものは、腰が弱い和紙や絹を補強するにすぎない。もともとコシが強いワトソン紙を補強しなくても、矯正だけすればしわがのびるのではないかと考えたわけだ。
1.材料
(1)のり付きの不織布
(裏地用にアイロンがけでのりづけができるもの)←不思議と家内がロールで持っていた(^^)
(2)対象となる水彩画紙より大きなシナベニヤ2枚
(3)大型ダブルクリップ4個
(むかし会社で分厚い資料を止めていた黒いクリップの大型版)
2.作り方
(1)不織布のノリ側をシナベニヤにあて、高温のアイロンを真ん中から順番にあてる。20数えるくらいじっとあてないとくっつかない。
(2)2枚のシナベニヤを不織布で連結したら、はみ出た不織布をカッターで切り取る。
3.使い方
(1)絵の裏に霧吹きで十分な水を吹きかけ、刷毛(ハゲではない)でならし、髪が??紙が伸びきるのを待つ(15〜20分)
(2)シワ取り器にはさんで、四辺をダブルクリップで締めつける。
(3)十分に乾くのを待つ。
一晩ぐらいで出してみたら、まだ紙が湿っていたらしく、シワはとれたが大きく湾曲してしまった。水張りと一緒で、2〜3日放っておき十分に乾燥するのをまつ。
家内が試してみたが、このシワ取り機に顔をはさんでもシワは取れないことがわかった。
ほなあほな(^_^;)