台所脇の窓に花びん代わりのコップがある。花が枯れたので水を切っておいた。昨日チャーハンを作りながらふと見ると、コップの底でなにかモゾモゾしている。いつの間に入ったのかクワガタだった。定かではないが、ヒラタクワガタではないかと思う。水がなくてよかった。
このほか毎晩のようにカブトムシもやって来る。きょうも網戸にオスのカブトムシがしがみついていた。ゆうべから徹夜だ。どうも、窓越しに部屋の中で光る誘蛾灯をめがけてやって来るようだ。
小学生の頃、近くの土手の木に、昼間、黒蜜を塗っておいて、夜こわごわ懐中電灯をもって一人でクワガタやカブトムシを獲りに行った。カブトムシよりクワガタのほうが珍しく値打ちだった。特に大きなアゴ?が曲がっているミヤマクワガタなんぞは、学校中で自慢できるシロモノだ。
先日お盆で帰省した時、長兄から処分したと聞いていた自分の生家あとを見に寄った。現地についたら様子が全く変わっていて、行ったり来たり3周ぐらいウロウロする。
田んぼや沼はすべて埋め立てられ、家や工場になり、生まれ育った原風景はもうない。村の子供達が遊んでいた広い道も、車一台通れるかやっとの細い道だった。
夜、こわごわとカブトムシを獲りに行ったところも、たった数百mだ。小さい頃は、遠くて怖い距離だったが。