音楽用語で裏拍のことを裏打ちともいうが、今回挑戦の裏打ちは、絵の裏打ちである。 通常、絹や和紙に描かれた日本画を、補強するためにする表装作業の一部だ。この職人さんを表具師という。
手描室で使っている画用紙は「ワトソン紙」という綿を紙にすいたものだが、絵の具をぬったところだけ紙がのびるので、乾いたあとボコボコ波打って、額装しても隙間ができたり影がでてしまう。6号以上の紙は平にするため、日本画のように「裏打ち」を表具屋さんに頼んでいる。
女性以外にはなんでも手を出したがる仙人は、ネットの情報を参考にさっそく挑戦してみた。残念ながら、かるい波打ちが残ったが額装すれば大丈夫と思う。*下記注
(3)の裏打紙を貼る作業は、表具師の職人さんは、右手に丸い棒をもってクルクル回しながら、一人で作業するらしいが、とうてい素人ができる技ではなく、家内に手伝ってもらった。
S先生に教えていただいた紙屋さんは、創業明治5年 飯田には和紙専門店が130年以上も生き残るだけの需要があるということで、その文化的背景を思うに、あらためてここに移り住んでよかったと思った。
注:S先生に、「6号より小さい絵は、裏側に水を塗って、紙と板にはさんでおもしをしておけば平らになる。」と教えていただいたことを思い出した。この裏打ちした少し波打っている6号の絵をそのようにしてみたら、きれいに平らになった。